読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

【レポート】漫画の舞台&聖地紹介のフリーペーパー「京都漫彩」

京都市内のアニメ・漫画の舞台&聖地紹介のフリーペーパー「京都漫彩」を京都駅ビルの観光案内所でもらって来ました(2011/04/23)。以下、一読しての雑記です。

先日、京都新聞でも配布告知 のあったフリーペーパー「京都漫彩」を京都駅ビルの観光案内所でもらって来た。京都市が制作に乗り出したということで半年くらい前に話題になっていたものだが、ペラペラめくってすぐにあることに気付いた。『けいおん!』のけの字もない!


(フリーペーパー「京都漫彩」)
けいおん!』の舞台背景として京都市内が描かれているということを京都アニメーションは公式に認めていないので、その部分は目を瞑るとしても、修学旅行篇まで無視されているのはなんとなくしっくり来ない。なぜなら『らき☆すた』の修学旅行篇は掲載されているからだ(権利関係?)。どうせなら2作品並べて掲載することで、京都市内の東西の観光地を補完し合えば面白かったと思うのだが・・・。岩田山のモンキーパークなど、観光客にアピールする絶好のチャンスだったはず。この場所が出てくるアニメ・漫画など他に聞いたことがないだけに、実に勿体なく思える。


(フリーペーパー「京都漫彩」より。『らき☆すた』の修学旅行編)
その他の作品については、ほぼ全て「旅行者」の視点から見た京都が紹介されており、『こち亀』『課長 島耕作』『美味しんぼ』等、一般的には広く知られた漫画でも、個人的にはあまり関心のない作品の旅行先・出張先の舞台が多く出てくる。もっともこれは観光案内所で配布する冊子であって、有名なアニメ・漫画の舞台を切り口に京都の商店街や観光スポットを紹介するというのが本来の趣旨なので、メジャー作品が集中する傾向は理解できるし、また観光案内の用途も充分に満たしていると思う。


けれど、京都市内に住む地元住民としては、やはりもっと地元に密着した「舞台」や「聖地」の紹介が欲しかったというのが本音でもある。この冊子の趣旨と違うというのは承知の上で、あと一歩踏み込んでもらえたらという思いが残った。市内在住の生活者視点での作品という意味では『四畳半神話大系』が冊子の冒頭で紹介されている点はとても嬉しい。ただしこれも京都が舞台であることが明白であり、制作段階から行政が協力していたからこそ取り上げられた訳で、裏を返せば『けいおん!』の校外の舞台(=生活の場としての京都)のような非公式のものはハナっから記事になる可能性はなかったということでもある。当たり前と言えば当たり前の話だ。

四畳半神話大系 第1巻 [Blu-ray]

四畳半神話大系 第1巻 [Blu-ray]

けいおん!』絡みで言うなら、因縁めいた『となりの801ちゃん』の出生地(?)である御薗橋801商店街の紹介と、原作者への小インタビューが載っている。また、木村紺『からん』、ほうさいともこ『酒場ミモザ』など、決してメジャーではない作品にもスポットライトを当てている点には目を引かれる。こういったアプローチがあと20ページ分くらいあれば、もっと画期的な内容になっていただろうが、知名度の高い漫画・アニメを通じて京都の経済を活性化させるという所期の目的を果たせず、フリーペーパーでは採算が取れないことになっていたかもしれないので、バランスを考えるとこれが限界だろう。
となりの801ちゃん (Next comics)

となりの801ちゃん (Next comics)

ちなみにこの冊子は90ページほどあるA5サイズのやや厚目のフリーペーパーで、41ページ目以降は京都市内のエリア別の食事処・土産物を紹介した観光案内の記事である。舞台&聖地関連の内容に割かれた紙幅は全体の半分未満。そういう意味では、観光マップに舞台探訪・聖地巡礼の記事がおまけについたくらいのつもりで読むのが丁度いいと思う。


興味深いことに、この冊子では「聖地巡礼」という言い回しは使用しておらず、すべて「舞台探訪」で統一している。一般的にネット上などで広く流布しているのは「聖地巡礼」であると思うが、あえて「聖地」は「舞台」、「巡礼」は「探訪」と用語統一した理由を編集者に聞いてみたい気がする。


「京都漫彩」はwebでも公開しているので、関心のある方は一度ご覧になると良いだろう(京都漫彩)。ただし先述した通り『けいおん!』は載っていないのでそのつもりで。