【舞台探訪】『氷菓』:■09 飛騨一宮水無神社

京都アニメーションのTVアニメ『氷菓』(2012年4~9月放映)の舞台探訪の記事、9本目。
今回は第12話でえるが願掛けをし、第22話で「生きびな祭」の舞台となった飛騨一宮水無神社です。

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原作では「水梨神社」と表記されているので、ずっと「ひだいちのみや みずなしじんじゃ」だと思っていたのですが、どうやら「みなし」と呼ぶのが正しいようです。ただし地元では「すいむ」と呼ぶことの方が多いと聞きました。


また第22話で描かれた「生きびな祭」は毎年4月3日に同神社で執り行われる実在するお祭りです。*1高山の例年の桜の開花時期は4月中旬以降なので「生きびな祭」の頃に桜満開という状況は通常ではありえません。アニメに描かれた光景はまさに"狂い咲き"というより他なく、しかもあの桜はそんじょそこらのものではない、飛騨一宮水無神社からほど近い場所にある名勝臥龍桜」を描いたものです。その臥龍桜にしても開花時期はやはり4月中旬以降。しかも「生きびな祭」の巡行ルートに臥龍桜はありません。つまりあの巡行時の美しい桜の場面は、残念ながら合成と想像の産物なのです。


生きびな祭りの様子を満開の桜の下で見るというのは果たせぬ夢なのでしょう。


■09 飛騨一宮水無神社
第12話
01 神社前の道路


画面の右側が水無神社の境内です。えるは鳥居をくぐって本殿に向かうところなのですが、何かしっくりきませんね。ではこちらをご覧ください。

これは上掲した写真の撮影地点から180°真反対に振り返ったところです。実はNo.01のカットは、この風景を左右反転させているのです。実際に反転させてみましょう。

奥の三叉路にある家は描かれていないものの、左右の背景はNo.01と同じになりました。これにはどういう意図があるのか、色々想像してみると楽しそうです。


02 境内に至る石段


03 本殿


この写真は舞台探訪者コミュニティーのBuzz様よりご提供頂いたものです。
飛騨一宮水無神社では通常は本殿前の敷地内に立ち入ることは出来ません。祭りの日や祝日や正月などの特別な行事の日だけ開放されるらしく、Buzzさんがこれを撮影できたのも、偶然その日が開放日に当たっていたためとのことです。ちなみに通常日に撮影すると、せいぜいこんなアングルでしか撮れません。


第22話
01 水無神社へ至る橋


橋の形状は全く違いますが、左側の民家は合致します。奥の方に見える家はこの周辺では発見できませんでした。


02 橋


これはイメージ映像ですね。あくまで参考程度です。なお「生きびな祭」は実際にこの周辺を巡行します。参考写真をもう1枚。


03 鳥居前



04 石段から境内を望む


05 手水舎周辺


記念写真用の立て看板がかなり離れたところにありました。

正面から撮っておきました。


06 参集殿周辺






07 本殿


第12話のNo.03と異なり、こちらは賽銭箱の付近からズームで撮影可能です。


08 神楽殿近くの石段





09 臥龍桜



氷菓』全編を締め括るに相応しい美しいラストシーンでした。


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次回は■01~■09の記事に収まりきらなかった残りのエリアを集めた■10 その他 Part1(一本杉白山神社、市民プール、旧神岡鉱山etc.)です。
前回の記事はこちらです。→■08 日枝神社


(2013/2/2 記)

当記事に掲載した『氷菓』の画像は、著作権法32条に定める比較研究を目的としての引用であり、当該画像の著作権は全て、米澤穂信角川書店/神山高校古典部OB会に帰属します。

*1:2013/4/6追記:その後、第62回「飛騨生きびな祭」に行ってきました。その時のレポはこちらです。→http://d.hatena.ne.jp/los_endos/20130406/1365255654