【舞台探訪】『いなり、こんこん、恋いろは。』(原作):第1~3話、第1~2巻裏表紙(伏見稲荷周辺)

ヤングエースで連載中の漫画いなり、こんこん、恋いろは。』(著者:よしだもろへの舞台探訪の記事です。

漫画『いなり、こんこん、恋いろは。』の主な舞台は、主人公である「伏見いなり」(←ややこしいですが、女の子の名前です)の家と学校のある伏見稲荷周辺です。


前回の記事丹波橋くんとのデートの場所となった四条河原町周辺に絞って取材しましたが、今回は久し振りの参詣を兼ねて伏見稲荷大社まで行って来ました。現在刊行されているコミックス1~2巻の中で、伏見稲荷大社周辺と思われる箇所に的を絞って調査しました。明確に特定できるもの、明らかに改変されているもの、どこをどう探しても発見できないもの、暑さで参ってしまって体力的に断念したもの・・・と様々です。馴染みのある場所なので、少々甘くみていたのかもしれません。


暑さ当たりでダウン寸前、本殿に参詣する前から鰻丼といなり寿司をアテにビールをぐびぐび飲んでしまった不届き者がここに約1名*1

このカットこそは特定するぞと意気込んでいた背景に限って発見できず、すごすご引き下がる羽目になったのは、キツネさんに化かされて見当違いのところをぐるぐる歩きまわっていたからかもしれません。お揚げさんでも奉納すれば良かったかな?


では探訪記事をご覧ください。
近日中に作戦を練り直して、今度はシラフで二次調査を実施する予定です。

当記事に掲載した「いなり、こんこん、恋いろは」の画像は、著作権法32条に定める比較研究を目的としての引用であり、当該画像の著作権は全て「よしだもろへ角川書店」に帰属します。


■探訪写真
MAP


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※以下は当日の探訪順に掲載します。各々のカットの話数と掲載ページ数はキャプに併記しますのでご確認下さい。


第1話 P.64 煎餅屋(@第1巻)(2011/07/09撮影)。


第1話 P.65 大衆食堂(@第1巻)(2011/07/09撮影)。



入口の場所が違うなど、絵の方は少し改変が入っていますが、画面右側の隣の店との境目にあるタイル貼りが一致することと、道を挟んで真向かいにある「煎餅屋」のカットが直前に描かれているという連続性を考慮すると、多分ここで間違いないと思います。「お食事処」の看板は可動式のものであるため、当日は店舗入口に向かって左側にありました。


伏見稲荷大社の最寄りの駅はJR奈良線稲荷駅です。奈良方面行きホームの改札口を出ると大鳥居がどーんと建っているのが見えますので、迷うことは絶対にありません。ですが、この煎餅屋と食堂は、京阪電車伏見稲荷駅淀屋橋方面行きホーム改札口のすぐ東側にあり、JR稲荷駅から見るとお稲荷さんとは全く反対方向になるので注意が必要です。


第1話 P.28 伏見稲荷大社 大鳥居周辺(@第1巻)(2011/07/09撮影)。


今年平成23年は御鎮座1300年の節目の年ということもあり、本殿と大鳥居近辺は現在改装工事中です。本殿は仮殿が据えられ御本尊はそちらに移されているため、かなり境内の雰囲気が変わっています。また大鳥居の工事現場は作中に登場する背景に一部被っています。


伏見稲荷大社のキービジュアルと言っても過言ではない有名な千本鳥居。真夏の昼でも薄暗くひんやりした霊気に包まれたこの場所は、多くの漫画やアニメで取り上げられているのでご存知の方も多いでしょう。間断なくびっしり鳥居で埋め尽くされた朱色の迷路は、圧巻であると同時に少しばかり鬼気迫るものがあります。


伏見稲荷大社 千本鳥居(@第1巻:裏表紙)(2011/07/09撮影)。



1巻の表紙裏のカラーイラストがこの場所です。Googleマップでマーキングしても分かりづらい場所なので文章で補足説明しますと、本殿から稲荷山へ向かって歩いていく途中で、千本鳥居が二股に分かれる手前です*2。ただし厳密にこの角度で撮ろうとすると写真にあるように手前の鳥居が何本か邪魔で(笑)、絵の通りに再現は出来ません。表紙イラストを描かれる段階で恣意的に改変されているようです。


幻想的な千本鳥居の朱色のトンネルを潜り抜けると、奥社遙拝所に出ます。ここが第2巻表紙裏のイラストの背景です。


伏見稲荷大社 奥社遙拝所(奥の院)(@第2巻:裏表紙)(2011/07/09撮影)。


奥社(奥の院)背後にあるこの山肌には注連縄が架けられた大きな岩が祀られており、これが「稲荷大神」であるとのことです。ここにはミニサイズの鳥居がたくさん置かれています。

先の千本鳥居は稲荷信仰の信者の寄進によって建てられていますが、こちらの小鳥居も信者や参拝客が奉納したもので、鳥居を建てるよりも遥かにリーズナブルなお値段で寄進できるとあって人気が高く、稲荷山の中腹(四ツ辻)の稲荷塚周辺には夥しい数の小鳥居がびっしりと奉納されています。その光景は一度見たら忘れられないほどのインパクトを放っています。お時間と体力があれば、是非稲荷山へも登ってみて下さい*3 *4


第2話 P.58 伏見稲荷大社 奥社遙拝所(奥の院)おもかる石(@第1巻)(2011/07/09撮影)。


おもかる石もキツネ顔の願掛け絵馬(ならぬ絵狐?)も奥社の境内にあります。
絵馬のキツネさんの顔は自分で描かないといけないので、それなりの絵心が必要です。なお絵馬の掛け所ですが、漫画の背景と同じ形状のものはここでは発見できませんでした。



第1話 P.30 伏見稲荷大社 奥社遙拝所から稲荷山へ入る鳥居前(@第1巻)(2011/07/09撮影)。


(2011/07/14記)

【舞台探訪・聖地巡礼の心得】
舞台として描かれる場所は一般市民の生活空間であることが多いため、現地訪問に当たっては、以下の各項目にくれぐれもご留意下さい。マナーと心配りをお忘れなく!

1.近隣住民の方々の迷惑となるような行動は慎むこと。
2.プライバシーの侵害となるような行為はしないこと。
3.学校や個人宅に無断で侵入しないこと。
4.撮影時の道路への飛び出しなど危険な行為はしないこと。
5.撮影が許可されていない場所の撮影はしないこと。迷った場合は関係者に撮影可否の判断を求めること。

*1:この店では、伏見稲荷名物のすずめやうずらの姿焼きもあります。その気があればトライしてみて下さい。見た目はグロいですが美味しいですよ。

*2: 稲荷山のマップです。ご参考までに。

*3:小鳥居は、稲荷山中腹に数軒ある茶店で売っています。一番小さいもので2千円程度で購入可能。一番高くても1万円前後です(価格は大きさに拠ります)。小さいのは大人の手のひらサイズなので、お土産に買って帰る人もいるとのこと。

*4:ちなみに千本鳥居を建てる場合は、最低価格20万円から始まり、大きさや設置場所に応じて40万円→80万円→160万円とランク分けがあって、そこから上は「時価」になるそうです。鳥居の「時価」って何でしょう?